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​LIFE LIKE A SLIME

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この子の名はルゥ。

『冠絶偉彩の画家、異世界を描き翔ける!~画竜点睛と黎明のゼアソル~』

に登場するスライムである。

 

 彼女は、魔晶魂《コア》を有さずに生まれ、エリュトリオンの星の力を有し、細胞一つ一つが同一活動する不死の不定形生命体。

 

 ──人はこれを『特異点』と呼ぶ。

 

 数百年に一体のみ誕生し、なぜスライムの形を持って出現するのかは現状不明である。

 

 

 そんな強くも可愛らしいスライムのルゥ。

 

 

 ある日、地球のスライムと呼ばれるものは一体どんなものかと興味を持った彼女はこのセカイに干渉し、今回のコラボが実現することになった。

 

「初めまして、古山圭ニと言います。ルゥちゃん、よろしくね」

 

 オレンジの体に、水色の瞳と星型の虹彩。4本指のちいさな腕は忙しなく動かす様にかわいいとこぼれた。

 

 

『圭ニおじちゃん、よろしくね! この世界のスライムって、ねちねち、うみょみょーっとしてる! 生きてないけど、面白いよ♪』

 

 自分の身体とは違う触感と反応に面白がるルゥ。

 しばらく遊んでいると、どこからか演奏の音が聞こえてくる。

 

「楽器の音色?」

 

 

  三人組の女性が楽器を奏で、スライムを練って新たな調和を生み出していた。

 

「何をしているのー?」

「これが今回のイベント LIFE LIKE A SLIME ですよ。スライムと音楽の融合、面白いですよね」

「確かに! やってみようかな!」

「演奏できるんですか!? でしたら手洗い場に………えっ!?」

「浄化《プロポラ》♪」 

 

 圭二は驚きが止まらない。

 なんと、汚れた物や邪なる物をきれいにする魔法を発動してスライムまみれの手を浄化したのだ。

 

「ルゥも演奏したい!」

「では僕もやりましょう」

「圭二おじちゃんもできるの?」

「もちろんですよ」

 

 面白くなりそう! と直感したルゥは星型の虹彩を更に煌めかせる。

 おもむろにお腹?らしきところから取り出した小さなピアノで、ルゥはプロピアニストも顔負けの演奏を披露!

 

「うぉぉ!? これはまた……!」

 

 あまりの凄腕に目を点にする圭二は負けじと、サックスを取り出し、吹いて回る!

 

 三人組の女性もやや驚きつつ、チューニングして出来上がるは次元を超えた新たなハーモニーだ。

 

「みんなすごいね! もっと盛り上げようよ!」

 

 まだまだビートアップする演奏に引き寄せられた子どもたちが立ち止まり、完成したスライムを貰っていく。

 

「よくわかんないけどなんか楽しい! ありがとう、ルゥちゃん!」

「ふふん、ルゥお姉さんの演奏とスライム楽しんでね!」

 

 時を忘れさせるほどの協奏曲はあっという間にイベント終了の時間となった。

 

「今日はありがとうございました! スライムのルゥちゃんだっけ? ピアノの演奏良かったね」

「今までのイベント演奏の中でも屈指の良いものになったと思います」

「今日のスライムも良い仕上がりになりました」

「こちらこそ、どういたしまして! また会おうね、バイバーイ♪」

 

 場所は変わり、ある親子連れへと映る。

 夕焼けに照らされて赤く染まるカップ入りスライム。

 

「あれ、ぽよぽよ動いてる?」

「あのオレンジのスライムちゃんと同じじゃないんだから、生きてるわけないでしょ」

「そうだよね、ママ」

 

 

 ルゥがこねて無意識に撒いた細胞の影響で、各地に大量発生情報が多数報告されましたとさ。

 めでたし、めでたし。

 

ALIVEイベント特別書き下ろし、完。

​銀河革変

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